中桐雅夫の詩「きのうはあすに」

13 2月 2013
Posted by keikei

   先日ふとしたことで目にした詩です。
 

                     『きのうはあすに』
                                             中桐雅夫

                新年は、死んだ人をしのぶためにある。

                心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、

                おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ。

                でなければ、どうして朝から酒を飲んでいられる?

                人をしのんでいると、独り言が独り言でなくなる。

                きょうはきのうに、きのうはあすになる。

                どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる。

                でなければ、どうしてこの一年を生きていける?
 

                                       中桐雅夫詩集『会社の人事』より